20世紀最大の経済学者が、 大恐慌のなかで打ち立てた理論とは?
現代経済学の礎を成す新古典派経済学、マルクス経済学、ケインズ経済学の、経済学三大思想。そのうちの1つであるケインズ経済学を紹介します。大学では経済学を学びましたが新古典派なんてミクロ経済学にがっつり繋がっていますね。
古い理論を打ち破ったケインズの新理論は、当時主流だった経済学を修正する理論であった。20世紀の経済学の世界でもっともインパクトの強い存在は間違いなくケインズだろう。
時代背景と内容
1929年に勃発した大恐慌によって、世界中が深刻な経済危機に見舞われた。回復の見通しも立たないなか、ケインズは『雇用・利子および貨幣の一般理論』を発表。
恐慌下で起こっている経済現象が、「需要と供給の調整により価格が決定される」という当時の古典派経済学の理論では説明できないことを明らかにしたのである。ケインズ経済学では、経済全体の消費や所得、生産などについて、それぞれ関連し合うと想定した。
政府の介入と調整の必要
重要なポイントは、公共投資をすれば民間投資と個人消費が刺激され、政府の支出額以上に国民所得が増加するという乗数理論を提唱したことだ。国民所得が増えれば税収も増えるから、公共投資のための財源確保に国債を発行しても問題ない、ということになる。
当時の金融政策としては、金本位制を離脱して管理通貨制度へ移行し、貨幣量を増やすことを推していた。
政府の市場介入の必要性を説いているのだから、ケインズ経済学が志向するのは、やや大きな政府だ。政治思想は中道のリベラリズム(自由主義)ということになる。
(これに対して経済学に父アダムスミスが説いたのは小さな政府論だ)
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