①古典派経済学
アダムスミスの古典派経済学
経済学の父と謳われるアダム・スミスの思想からはじまった。
資源の効率配分の問題を解決するためには、市想には、市場メカニズムがもっとも有効であるという理論」だ。
マーシャルは効用価値説と、アダム・スミスが「見えざる手」と称した市場の均衡を結び付け、需要・供給の法則を図示したことでも有名。
縦軸に価格、横軸に生産量(購買量)を取る(モノの価格は需要と供給によって決まる)というおなじみの需要・供給曲線である。
新古典派経済学
新古典派経済学は、1871年から74年にかけ、レオン・ワルラス、ウィリアム・ジェヴォンズ、カール・メンガーが起こした限界革命と呼ばれる経済理論の革新が基盤となっている。
それぞれフランス、英国、オーストリアと国籍の違う3人が、ほぼ同時期に限界効用理論を発表したのだ。
それまでの古典派経済学は、「物やサービスの価値は労働量で決まる」という労働価値説を前提としていた。ところが彼らは発想を変え、「価値は効用で決まる」という効用価値説を打ち出した。
効用とは満足度のことだ。
ジェヴォンズは「欲望」と書き、メンガーは「食欲」を例に挙げている。例えばカツ丼を1杯食べたときの満足度に対し、もう1杯、また1杯と食べていけば満足度は減っていく。これが「効用は、物やサービスが1単位追加されるたびに増え方が減る」という限界効用逓減の法則だ。
ミクロ経済学
新古典派は後のミクロ経済学のことだ。派生したゲーム理論は日本でも研究者が増えている。
「ミクロ=微視的という意味の経済理論。家計の消費活動や企業の生産活動を分析し、モノや サービスの価格や生産量を研究する。
②マルクス経済学
カール・マルクスは、古典派の労働価値説を継承しつつ、古典派を批判的に検討し、資本主義の運動法則を解明したと主張した。
いわく、資本主義市場経済は放っておくと不安定になり、やがて崩壊するという。
資本家が、労働者が賃金以上に働くことで生み出した剰余価値を生産手段に投資していくと、傾向的に利潤率が低下するという利潤率低下法則がその根拠だ。
現代社会とは距離があるが、19世紀は各国で恐慌が繰り返されていただけに、古典派や新古典派よりもリアリティがあったのかもしれない。経済学としては、欧州や日本でかなり普及することになる。
マルクスの目指すところは、労働者の政党による独裁的な社会主義国家の完成にある。
政治思想はむろん、富を民主的に分配するために生産手段の社会化=国有化を行うべきだとする社会主義であり、経済システムとしては政府による計画経済を目指した。
実際、1917年のロシア革命で、共産党独裁による社会主義国家(ソビエト連邦)が誕生する。
ソ連共産党はその後、ドイツやオーストリアの共産党を支援するが、両国民の支持を集めたのは議会制民主主義を維持しつつ、経済危機を脱するために社会主義的な政策を実現しようという社会民主主義だった。
第1次世界大戦後のドイツとオーストリア共和国政府では、社会民主党が与党となっている。
③ケインズ経済学
1929年10月24日、世界大恐慌が発生します。原因はニューヨーク証券取引所での株価 の大暴落。
そこで、イギリスの経済学者 ジョン・メイナード・ケインズは、古典派経済学の理論では説明できない部分を修正した理論『雇用・利子および貨幣の一般理論』を発表。
需要が供給を決定するカギである「有効需要の原理」という理論ができあがる。
不況時には政府が財政出動し、供給サイドの過剰な生産能力に見合うだけの需要を創り出すべきだとした(有効需要の創出)。
マクロ経済学
マクロ経済学の枠組みは、「ケインズ経済学」の考え方を土台としております。
マクロ=巨視的という意味の経済理論。国の経済がどのような仕組みになっているか、総体的 な経済を研究する。マクロ経済学では市場を3つに分けます。①財市場、②貨幣-債券市場、③労働市場です。
- 「財市場」では、GDP(国内総生産)の決まり方を考える。この「財」にはサービスもふくまれております。財市場とは、モノやサービスを生産する、また消費する市場のことです。一般的にはGDPを考えます。付加価値(GDP) = (鉄板の価格 − 鉄板の材料費)+(車の価格 − 鉄板の価格)という付加価値の総和を求める。
- 「貨幣-債券市場」では、「貨幣」のしくみをみていきます。
- 「労働市場」では、「労働」をとりあげ、おもに「失業」についてみていく。
まとめ
今回ご紹介したのは経済学全体の中でもほんの触りだけである。
このような歴史の中で経済学は日々進化している。この他にも「行動経済学」など心理学と経済学の融合した学問も最近では流行っているイメージ。
経済学は政策を理解するのにも、実生活のリンクさせることもできる面白い学問。ぜひ学んでみてください。
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