トランプ大統領の税制改革「経済を再起動」
(こちらはリライト記事です。< 2017/12/21 >)
米トランプ大統領は20日、「史上最大の減税」と強調し、税制改革の成立を表明しました。トランプ氏が初めて、公約を実行した例になります。法人税の大幅な減税や、個人の所得税などの幅広い減税も行われます。
これまで、世界最高水準だったアメリカの法人税率は、先進国内では最低水準に近づきました。トランプ氏は、「これで企業は海外へ行かずに戻ってくる」と主張しています。また、米国内の雇用拡大にも繋がるでしょう。
( 以下、リライト前の前書き < 2017/3/1 > )
トランプ大統領は、28日( 日本時間2017/3/1 )、議会で施政方針演説を行いました。
その中で、「法人税を大幅に下げる歴史的な税制改革を進めている」と表明しています。
アメリカ経済再建、アメリカ人の雇用創出を目論むトランプ氏は、アメリカの企業の国外流出を防ぐ目的で、法人税大幅減税を考えています。
実際に現在(2017/3/1)、アメリカの法人税は、世界でもトップクラスに高いのです。
「中間層への巨額減税を提供する」とし一般人へも恩恵を与える姿勢が伺えます。
日本のアベノミクスでは、大企業ばかりが利益を得ているイメージを持たれがちですが、
果たしてトランプの目論見はうまくいくのでしょうか。
市場では、その期待感から、アメリカの株高、通貨高が進行してきています。
このまま「トランプ相場」が続くのか注目ですね。
では、ここからは歴史にポイントを当てていきましょう。米国税金の歴史について見ていきます。
米国税金の歴史
独立戦争以前 〜戦争のために印紙税などの追加〜
州ごとに税が徴収されていました。
内容は、輸出入税、固定資産税、相続税、物品税、全ての成人男性にかかる税など、様々です。
ところが、1765年、イギリスがフランスと戦争を始めるために、新たな税を課しました。
印紙税や、お茶への税です。しかし、高い税を払わされるのに、
議会へ議会へ代表を送ることができなかったため、アメリカ人はこれに怒り、独立を決めるのです。
独立戦争後 〜酒税、タバコなどの贅沢品、関税など〜
独立戦争後は、各州が自治権と徴税権をもっており、
中央政府はいわゆる小さな政府で、各州からの寄付に頼っていました。
しかし、それでは政府が機能しないということで、
酒税、たばこ税、関税などの間接税が課されるようになりました。
南北戦争 〜高所得者への所得税〜
南北戦争の費用調達のため、議会は、歳入法を通して高所得者への所得税を課します。
しかし戦争集結と共に、この所得税も廃止されます。
その後、所得税を再導入しようとはしますが、国民の反対もありました。
しかし物品税や関税を上げるだけでなく、再度、所得税を導入しようとします。
そのための憲法改正法案が通り、1913年に36州が批准します。
この時の所得税は、人口のわずか1%にしか満たない所得50万ドル以上の人にだけ課されました。
第一次世界大戦 〜課税対象者の引き上げ、社会保証導入〜
戦費調達のために、課税対象者と率が引き上げられます。
1920年代の好景気で一旦引き下げられるものの、29年の大恐慌で再び上げられることになりました。
また、失業保険など、社会保障税が導入されたのはこの頃です。
第二次世界大戦前後 〜課税対象者の引き上げ、医療保険税〜
枢軸国対策として防衛費が上がり、税率は上がり、課税対象者もより広範囲になります。
戦後には、1956年に、社会保障恩恵の拡大、医療補助のための医療保険税が導入されます。
その後、50年代〜60年代にはコンピューターによる管理体制が出来上がっていきます。
レーガノミクス 〜自由主義、小さな政府へ転換〜
社会保障と医療補助の導入により基金の不足が起こり、80年代には数度の増税がなされます。
そしてロナルド・レーガンがとったレーガノミクスは、これまでの流れに反する、自由主義経済政策です。
社会保障費を減らし、軍事費の拡大、減税や規制緩和を行い、経済規模は拡大しましたが、
貿易赤字・財政赤字の拡大(双子の赤字)させました。
また、最高税率は87%から50%へと、大きく下げられました。
一部のネット記事では、トランプ大統領の政策はレーガン大統領時代と酷似しているとも書かれています。
〜クリントンーブッシュートランプ時代〜
その後は、クリントン大統領による増税、社会的弱者への補助金、ブッシュ大統領は景気刺激として減税を実施。そして”レーガンの再来”と言われるトランプ大統領は、もともと不動産王、経済界出身です。
自国経済再建によるアメリカ再建の鍵を握ります。
今回の大幅減税は果たして吉と出るのか?今後も大注目ですね!
2017年末 トランプの税制改革
ついにトランプ氏が公約を実行!!
法人税率は来年に現在の35%から21%に引き下げられ、日本やドイツなどを下回り、主要先進国では最低水準に近づきます!
個人の所得税も、最高税率を39.6%から37%に下げられます。
これによりトランプ氏は、「海外へ流出する企業に戻ってくる」と語っています。そして、国内の雇用の拡大に期待感が寄せられています。
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