どのように戦国時代は始まった?
義満の時代に南北朝の時代は終わったわけだけど室町時代は、一時期を除いて戦乱が絶えない時代だったのよ。
戦国時代の入り口だしね。
15世紀になると、早くもプレ戦国時代的な様相を帯びてくる。
上杉氏の反乱から
戦国時代の突入を印象づける象徴的な事件が、
応永23(1416)年に起きた上杉禅秀(ぜんしゅう)の乱である。
室町幕府では鎌倉公方を関東統治のトップとし、
その補佐に関東管領を置き、
管領職は上杉氏の世襲とされていた。
その関東管領の前職・上杉禅秀が、
鎌倉公方・足利持氏に対して反乱を起こしたのだ。
乱は鎮圧されたものの、それを契機に
関東では鎌倉公方、関東管領に諸勢力がからみあって、
果てしない抗争が始まる。
東国では西日本に先駆けて、戦国時代に突入したともいえる。
こんなに将軍よりも大名たちが力をつけ始めていたのは、日明貿易で守護大名に実権が移っていて徐々に力をつけていたためよ。
いつの時代も世の中は金の力は強いのだな。
嘉吉の乱と、土一揆
一方、西日本では土一揆が始まっていた。
正長元(1428)年には、正長の土一揆が京都周辺で始まる。
運送業者である馬借が借金棒引きである徳政を要求、
また民衆が金貸し業である土倉を襲撃したのだ。
そんな不穏な空気の中、京都では
六代将軍・足利義教が恐怖政治を敷いていた。
多くの者は将軍の前に息をひそめていたが、
嘉吉元(1441)年、守護の赤松満祐が
自らの地位に不安を感じて将軍を暗殺する。
これが世に言う嘉吉の乱だ。
下克上だ〜〜!!
その後、赤松満祐は滅びたものの、
幕府の体制はさらに不安定になった。
同年、嘉吉の土一揆が発生、一揆勢力に押されて
室町幕府は徳政令を出さざるをえなかった。
徳政令ってなに?
金融業者に対して債権放棄を命じた法令。簡単に言うと、借りたお金を返さなくてよくなる法律よ災害や戦乱で借金に苦しんでいた人たちを救済するため。
どんだけ荒れた世の中だよ!
土一揆が起きた背景には、村落内の変化があったのよ。
南北朝の動乱によって、強力な統治機構が消滅すると、
村落で暮らす人々は、無秩序状態のなか、
自らの力で自らを守るしかなくなった。
貨幣経済の浸透
そこで、惣村と呼ばれる自律・自衛的な村が生まれ、
小さいながらもそれぞれが一つの勢力を形成した。
彼らは、それまでの民とは異なり、
領主に唯々諾々とは従わなくなる。
加えて、この時代には貨幣経済が浸透をはじめ、
貨幣で年貢を納める農民もいた。
一 方、高利貸しを営む土倉が現れる。
惣村の農民たちは土倉に借金をすることが多かったので、
その借金を帳消しにしようと土一揆を起こしたのだ。