鉄砲とキリスト教伝来で世の中はどう変わった?
戦国時代は、日本とヨーロッパ勢力が
歴史上初めて直に接した時代であった。
15世紀後半、大航海時代に突入したヨーロッパ勢力は、
世界中へ進出し、やがて極東の日本にも到着。
鉄砲とキリスト教をもたらした。
鉄砲の伝来
鉄砲が日本に伝わったのは、天文2(1543)年のこととされる。
種子島にポルトガル人を乗せた中国船が漂着。
領主の種子島時尭がポルトガル人から入手したというのがこれまでよく語られてきた話だ。
でも実際には鉄砲はそれ以前から伝来していた可能性もあるのよ。
すでに中国には鉄砲が伝来していたとみられるうえ、
当時は倭寇とともに私貿易が盛んだったので、
より早い時期に鉄砲は日本列島に伝わっていたと考えられる。
なお、種子島に漂着した船も中国人を頭目とする倭寇の船だったという説が浮上している。
キリスト教の伝来
一方、キリスト教は天文18(1549)年、
イエズス会の宣教師フランシスコ = ザビエルによって伝えられた。
鉄砲とキリスト教、そして火薬は、日本とヨーロッパ勢力との関わりにあっては、ワンセットともいえた。
戦国大名は鉄砲とともに、鉄砲用の火薬の原料となる
硝石をヨーロッパ勢力に求めた。
当時の日本では、硝石を国産できなかったんだね
そこで、戦国大名のなかには、鉄砲と火薬を得るために、
キリスト教に入信する者も現れた。
ヨーロッパから見た日本
九州の大友義鎮、有馬晴信などで、
彼らはキリシタン大名と呼ばれた。
一方、宣教師にすれば、鉄砲・火薬貿易は布教のための強力な武器となった。
ヨーロッパ勢力が日本に続々と渡来した目的は、日本の銀にあった。
当時、石見銀山で銀が大量に産出し、
一時期は銀の産出量で日本は世界の三分の一を占めていた。
すでに、ヨーロッパには新大陸からも銀が大量にもたらされ、
それによって価格革命が始まり、経済の本質が変わりつつあった。
ヨーロッパは、自国経済発展のために、日本の銀を欲していたのだ。