西郷隆盛の名言から見る性格

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西郷の名言『総じて人は己に克を以て成り、自ら愛するを以て敗るるぞ』

2018 年の大河ドラマの主役に抜擢された西郷隆盛。西郷の言行録がまとめられた南洲翁遺訓をご存知でしょうか?その中から、一つの名言をピックアップしてご紹介しています。

西郷隆盛の『南洲翁遺訓』の名言

南洲翁遺訓(なんしゅうおういくん)とは、西郷を敬愛する旧庄内藩の人々によって書かれた西郷の言行録です。その中に、以下のような記述があります。

西郷隆盛
西郷隆盛

道は天地自然の道なるゆえ、講学の道は敬天愛人を目的とし、身を修するに克己をもって終始せよ。・・・(中略)・・・総じて人は己に克つを以て成り、自ら愛するを以て敗るるぞ

現代語訳

人が行うべき道は、天から与えられた道理であって、上に天があり下に地があるように、当たり前の道理であるから、学問の道は、天を敬い人を愛するということを目的として、身を修め、常に己に克つことに努めなければならない。・・・(中略)・・・全体に、人は自分に克ってこそ成功するのであって、自分を甘やかそうとすればきっと失敗するものなのだ。

という意味です。

豪傑で誠実な人物だった

南洲翁遺訓の言葉からも分かる通り、とても誠実で、自らに厳しい人間だったことが伺えます。そして、自らを甘やかさず正しいことを行って入れば、それを天が見ているという考え方を持っていたのでしょう。

勝海舟と坂本龍馬の、西郷隆盛の評価

西郷隆盛と言えば、上野の銅像の印象通り、懐の深い、肚(はら)の大きな人物のイメージがありますが、同じ時代を生きていた勝海舟と、勝に師事した坂本龍馬は、西郷をどんな目で見ていたのでしょうか。

氷川清話の記録から

氷川清話(ひかわせいわ)とは、勝海舟の言行録です。その中に坂本龍馬が西郷の事を以下のように評していたとあります。

坂本龍馬
坂本龍馬

成る程、西郷という奴はわからぬ奴だ。少しく叩けば少しく響き、大きく叩けば大きく響く。もし馬鹿なら大きな馬鹿で、利口なら大きな利口だろう。

それに対して勝海舟は、

勝海舟
勝海舟

西郷に及ぶことのできないのは、その大胆識と大誠意とにあるのだ。

と答えています。

大胆で人情深い男

そのような大きな大胆な人物だからこそ、西南戦争という大きな戦争起こしてしまったのでしょう。そして、義理人情が深い男なので、薩摩の武士たちの想いを、一手に引き受け、誠意を以て応じたことから行った、西南戦争だったとも考えられます。