なぜ歴史を学ぶのか

ドイツの初代首相のオットー・フォン・ビスマルクの言葉に、

「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」

という言葉があります。

この言葉の真相は、

愚者だけが自分の経験から学ぶと信じている。私はむしろ、最初から自分の誤りを避けるため、他人の経験から学ぶのを好む。(直訳)

という意味です。

歴史を学ぶメリット

よく、「失敗は成功の母」とか「失敗は成功の元」と言いますが、これが成り立つのは、失敗して、その原因を追求して、次に活かすことをするから、ですよね?

だったら、何も自分の失敗からだけではなく、他人の失敗からも学んだ方が良いのでは?ということだと思うんです。

だって、、、できれば、、、

自分が失敗したくはないじゃないですか!!

(かといって他人に失敗しろと言っているわけではないですが、、、)

経験値を高めるという意味でも、自分一人の経験より、他人の経験も知っている方が、絶対に得じゃないですか?

じゃあ誰から学べばいいのってなった時に、、、2つの選択肢があると思います。

  • 1つは、実際に会える身近な人。同期、友人、先輩、家族など、、この人たちの経験談から学ぶ。これ、すごく大事だと思います。
  • 2つめは、実際に会えない人。有名人だったり、歴史上の偉人だったり。この人たちには会えないので、本とか、ネットの情報から学ぶことになると思います。

どれでもいいと思います!全部いいと思います!

しかしこの中で、最も規模も大きく、たくさんの視点からのスクリーニングにかけられているものが、、、

歴史なんです!

もちろん、現代の問題なら、今生きている人に聞いた方が良い場合もたくさんあるでしょうが、、、

でも、人間の本質の部分って、昔の人も今の人も同じです!!

だったら、過去の人たちから、学ばせてもらいませんか?多分、失敗したりして、経験から学ぶことは誰でもたくさんあります。他人の失敗より、自分の失敗の方が、心にも響くし、戒めになって改善できる。

だからって、失敗するのをただ、待っているのはダメ。歴史を知ることで、予防策を取れるかもしれない。それだけ努力して予防してまでしても、失敗はすると思います。でもそこまでできることをやってたら、その失敗も価値あるものになります。

本当は事前に知ることができたのに勉強不足で失敗するより、やれることやり尽くしての失敗の方が、より自分のためにもなります。だから歴史に学ぶのです。

洞窟のイドラから抜け出せ

イギリスの経験論哲学の祖、フランシス・ベーコン(1561年〜1626年)(「知は力なり」という名言を言った人)は、4つのイドラがあると説きました。

その一つが、「洞窟のイドラ」

個人の狭い経験や、習慣、教育などによって、物の見方が歪められることをさしています。狭い洞窟の中から、本当は広いはずの世界を見ているようなイメージだと思います。「井の中の蛙」という言葉がぴったりですね。

ベーコンは、人間は一旦こうだと思い込むと、全てのことを、それに合致するように作り上げてしまう傾向があるとしました。

あなたの周りにも、そういう人っていませんか?

「この人はこうだ!」「この問題はこうだ!」と決めつける人とか。

ベーコンは、このようなイドラを取り除いて初めて、人間は真理にたどり着けると説きました。自分一人だけの経験や、受けた教育、習慣などは、限られています。そしてそこには、何かしらの「歪められた常識」だったり、「狭い視点の解釈」などが混ざっています。

そんな

自分だけの経験

自分だけの考え

にこだわるのは、あまり得策とは言えません。じゃあ、どうするのか?

歴史を知ることが、その答えになると思います。