クーポン券やポイントカードに潜むロックインとスイッチングコスト

経済学

あなたの身近にも絶対潜んでいる「ロックイン」

 

ロックインとは?

ロックインとはもともと「鍵をかけて閉じこめる」
という意味。
経済学でいうロックインとは、
人や企業の行動が、何らかの理由によって
ある方向に固定化していくことを指す。
巷でよく目にするクーポン券を例に見てみよう。

クーポン券のロックイン


あなたがラーメンを食べたいと考えたとする。
ラーメン店は近くにAとBの2軒ある。
たまたまAの店が80円割引のクーポン券を配っていたので、
試しに入ってみることに。
ラーメンを食べ終え会計を済ませると、
店はまたクーポン券をくれた。
次回も80円割引になるという。
せっかくクーポン券をもらったのだからと、
あなたは次もAの店を選ぶことに。
こうしてあなたはいつのまにかAの店の常連客になる。
店にロックインされたのだ。
さらにロックインはこんなところにもみられる。
電気店が軒を連ねる東京・秋葉原電気街としての歴史は、
戦後、ラジオ部品などを扱っていた闇市に端を発する。
次第に、秋葉原に行けば、どんな電気製品も揃うとの評判が立ち、
客足が伸びた。すると電気製品を扱う店はさらに充実。
こうして、秋葉原は電気街へと固定化、
つまりロックインしていったのである。
このロックインを企業側が意図して作り出そうとする。
これが「ロックイン戦略」だ。

お得」や「タダ」というキーワードにはご用心!

例えば牛丼屋でもなんでも良いのだが、
ポイントカード制を取っている店がある。
10ポイントを集めると1割引の特典などを目的に
何度も店に通うのは、まさに店の
ロックイン戦略にはまっているといえる。
そして、家電量販店のポイントカード。
同じ商品を買っても現金割引よりポイント還元のほうが、
はるかに割引率が高い。これはなぜだろう。
金割引の場合、顧客との取引はその場限りで終わってしまう。
しかしポイント還元の場合
顧客は獲得したポイントを使うために
また店に来てくれる可能性が高い。
だからこそポイントの割引率をより大きくしているのだ。
スポーツクラブの「入会金」もそうだ。
「せっかく高い入会金を払ったのだから、
通わなければもったいない」
と利用客に思わせ、利用し続けてもらうのだ。

スイッチングコストとは?


私たちの身近にあるコンセントのプラグ。
日本では差し込み穴が2つのタイプだが、
海外ではほかにもさまざまな規格の
プラグが使われてい る。
どの規格を使うかは国によって異なる。
つまり、それぞれの国がある規格に
「ロックイン」しているといえる。
もし日本で今から別の規格に切り替えようとすると
わざわざ新たな工事をしなければならず、
世の中全体で大きな費用がかかってしまう。
つまりいったんロックインした仕組みを、
別の状態に変更しようとした際にかかる費用を
「スイッチングコスト」という。
一度ロックインが起きた場合変更が難しいのは
このスイッチングコストがかかるためだ。
未来の自動車として期待されている「電気自動車」
しかし、まだ普及は進んでいない。
その大きな理由もスイッチングコストにある。
長く親しんできたガソリン自動車にロックインで
目的に切り替えるとなると、
今あるガソリンスタンドにかえて
電気自動車用の充電スタンドが必要になるなど
莫大なスイッチングコストがかかる。

ビジネスに生かす


逆に言えば、何か確定的なビジネスを作ったら
スイッチングコストがかかるように仕掛ければ、
顧客は離れにくくなるのだ。
例えばApple 製品なんてスイッチングコストが高い
一昔前なら、iPod とウォークマンの争いがあった。
どちらも音楽ソフトを入れ替えたりするスイッチングコストがあり
どちらかにみんなが別れていた。
今でもiPhone は Mac や iPad と同期したり
iMessage など、今使えている機能が
他の製品に買えると使えなくなるデメリットが出てくる。

ロックインから逃れる方法は?

一度起きたロックインを変えるのは大変だが、
可能性がないわけではない。
スイッチングコストを下げる工夫をしたり、
スイッチングコストを上回るメリットを
生み出したりすることができれば、道は開ける。

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