範囲の経済性とは(ヤマハ、タイムズ、東レなどの事例)

経済学
範囲の経済

範囲の経済を生かして効率性を高める

規模の経済性だけがすべてでではない。
違うふたつのものを組み 合わせることで
「範囲の経済性」を働かすことができれば、ビジネスチャンスは広がる。

範囲の経済性とは


羊を使ったビジネス例に見てみよう。
Aさんは、1頭の羊を飼い、肉を生産する。
一方のBさんは、別の1 頭の羊から羊毛を生産する。

ここでもし、AさんとBさんが互いのノウハウを持ち寄り、
一緒にビジネスをすると……。
1頭の羊から肉と羊毛の両方を作り出すことが可能になる。
別々に生産していたときは、合わ て2頭の羊が必要だった。
それに比べると、羊の費用は半分に減っていることがわかる。

このように、複数のビジネスの間の共通部分に着目することで、
出費が抑えられるメリットのことを「範囲の経済性」という。

範囲の経済性はさまざまな場面で活用されている。

自動車メーカー

車の開発をする際に、土台の部分を共通化するのも「範囲の経済性」
車を土台部分から開発すると、コストがかさむ。
そこですでに開発が終わっている車に着目。

土台部分をそのまま活用して開発作業を進めて、
ゼロから開発するのに比べコストを削減することができるのだ。

組み合わせの妙が事業の成功に繋がる事例

歴史のある企業をみてみると、
こうした「範囲の経済性」を巧みに活用し、
事業の幅を広げてきたところが少なくない。

楽器→オートバイ

例えば、楽器生産でスタートが、その加工技術を活かして
オートバイの分野に進出したYAMAHA(ヤマハ)さんのケース。

化学繊維→人工臓器

化学繊維メーカーが細い繊維を作るノウハウを応用し、
人工腎臓などの医療分野を手がけるようになった東レ(TORAY)さんケー ス。

印刷技術→太陽電池

さらに、印刷会社が、その印刷技術を武器に
太陽電池製造に乗り出したSCREEN社のケース。

いずれも、自社で培ってきた技術を活用することで、
新たな事業の開発コストを抑えることができた事例だ。

駐車場→カーシェアリング

さらに「範囲の経済性」は、他社のビジネスを買収し、
自社のものと組み合わせることによっても生み出すことができる。

たとえば、
駐車場を運営する TIMES 24株式会社が、マツダレンタカーを買収し、
カーシェアリングと呼ばれる会員制の車の共同利用ビジネスを手掛けているケースがそうだ。

自社が持っている駐車場の設備と、
買収先のレンタカーとを組み合わせることで、
「範囲の経済性」がはたらきコストを抑えることができるのだ。
だから、これだけの低価格を実現させているのだ。

これらをうまく組み合わせれば、
範囲の経済性を働かすことができるかもしれない。よく、
「商品を洗い直せ」という経営者の言葉の狙いは、ここにあるのである。

生活に役立つ行動経済学を学ぶには

2017年、ノーベル経済学賞をとったリチャード・セイラーの著作、「実践・行動経済学」が大変おすすめです。
「心理学×経済学」の交差点にある行動経済学を入門するのに最適な一冊!

参考記事:規模の経済とは
https://history-wisdom.net/manda/

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